ケアマネジメント

【ケアマネジメント 1 専門性について】

 

ケアマネジメントを私なりに考えますが、不可侵性と専管性の2つの特性があるようです。

お客様の状態を把握するアセスメントで語られる内容は記録にとどめることが出来ます。語らなかったこと、口調や声の感じは記録することは難しい。ましてその家の雰囲気は記録にならないだろうと思います。しかしケアマネジャーはお客様の語られることや家族の意向だけでなく家族の雰囲気や語られない意志を感じてお客様の本質に迫ろうとしているはずです。この本質を汲み取った支援方法の妥当性は第3者からはなかなかうかがい知ることは難しいと思います。また、ケアマネジャーは介護保険法によって賦与された資格に基づいて業務を行なっており、それ以外の者が変われるものではありません。ここに専管して行う業務という特性があります。ケアマネジャーは自分以外誰も変わることができない、自分以外お客様の支援はできないということを自覚し理解して業務を行なっていただきたいと願うものです。同時にわれわれはケアマネジャーには不可侵性と専管性がありその業務に立ち入れないことを理解して接することが求められます。

 

【ケアマネジメント 2 受注一品生産】

 

私の親はテーラーという仕事をしていました。テーラーとは注文紳士服製造です舶来屋とも言います。戦前ではどこの町にも1店や2店はあったのですがいまではほとんど見かけかくなった職業です。このテーラーは受注一品生産という製造方法です。その注文主の体にあわせて服をつくるのでまず、採寸。そしてサンプルで布地を決め、その生地にあった裏地を決め、背広であればベンツをセンターにするかサイドにするか、襟の幅や剣といった形などを決めます。ズボンでは裾の折り返しをするかストレートにするか、シルエットをどうするかさまざまデザインを決めます。ボタンをきめてネームを刺繍で入れるといった作業は受注一品生産です。

ケアマネジメントも受注一品生産です。お客様の状態に最適な方法、たとえば介護サービスをその地域のなかから選びます。そのためには地域にある事業所のことを知っていることが前提になります。これを社会資源の把握と言えるでしょう。社会資源は指定介護サービスに限定されないでしょう。指定介護サービスの周辺にある有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅をはじめ行政の高齢者福祉サービス、成年後見人制度や社協の行なっている活動、民生委員の助けも含まれます。さらには隣近所の方たちへの理解、公民館活動などに加え一般の企業も高齢者に役立つものがあると思います。それらを社会資源として承知して欲しいです。

 

【ケアマネジメント 3 作業環境】

 

ケアマネジメントはお客様の生活を支えることにとどまらず、その状態が改善されるようにして欲しいのです。誰しも介護によって生活をすることではなく介護がいらなくことを望んでいると思います。その思いを実現する手助けとなるケアマネジメント出会って欲しいです。そのために私はケアマネジャーが仕事をやりやすい職場環境をつくることを目指して会社を経営しています。